技術継承への新たな一歩

B君、自転車技術講習初日!

2026年10月2日(金)

本日から、新たな挑戦が始まりました!

今回、弊社に自転車の技術を学びに来てくれたのは、ことB君。

自転車の解体から整備、再生まで、これから少しずつ技術を身につけていただく予定です。

しかし、私が最初に行ったのは、工具の使い方を教えることでも、自転車を分解することでもありませんでした。

「なぜ自転車の技術を学びたいのか?」

まずは、その想いをじっくりと聴かせていただくことから始めました。

■ 13:00〜13:35 まずは夢を語り合う時間

B君は現在、自転車の輸出に携わっています。

そんな彼が技術を学びたいと思った理由は、大きく3つありました。

  1. 自転車の輸出をしているのに、自転車そのものを詳しく知らないのはもったいない。
  2. 日本国内で集めた自転車を自分たちで手直しし、販売できるようになりたい。
  3. 将来的にはパーツセンターとしても事業を展開してみたい。

話を聴いているうちに、単に自転車の修理を覚えたいのではなく、その先に大きな事業構想を描いていることが伝わってきました。

これは面白い!

自転車を集め、直し、再び市場へ送り出す。

さらに、使える部品を活かすパーツセンターまで構想している。

まさに、私たちが目指している「資源を循環させる仕組み」と重なる部分がたくさんあります。

■ 13:35〜13:50 お互いの夢がつながる瞬間

次にホワイトボードを使い、弊社が現在取り組んでいる事業を箇条書きにして説明しました。

一般修理、中古自転車の再生販売、リビルト部品の製作、不要自転車の回収、解体、資源化、そして技術指導。

こうして一つひとつの事業を見える化すると、B君が描いている未来と、私たちの事業には多くの共通点があることが分かりました。

「この事業と、この構想は一緒にできるかもしれないね!」

そんな話をしながら、お互いの可能性が広がっていきます。

技術を教える側と学ぶ側という関係を超えて、将来一緒に新しい価値を生み出せるかもしれない。

そんなワクワクする時間になりました。

■ 14:00〜14:50 自転車の基礎知識を学ぶ

夢を共有したところで、いよいよ技術講習のスタートです。

まずはホワイトボードを使って、自転車の種類や車両の分類、フレーム形状などについて解説しました。

普段何気なく見ている自転車も、用途や構造によってさまざまな違いがあります。

これから解体や再生、部品の選別などを行ううえで、こうした基礎知識は欠かせません。

ただ作業ができるだけでなく、

「なぜこの構造なのか?」

「なぜこの部品が使われているのか?」

そうした疑問を持ちながら学んでほしいと思っています。

■ 15:00〜17:00 いよいよ人生初の自転車解体!

座学を終え、いよいよ実技講習です。

今回の教材は、回収してきたブリヂストンのシングルスター273。

この車両を実際に分解してもらいました。

初めての作業ですから、当然分からないことばかり。

どこにどんなネジが使われているのか。

どの順番で外せばよいのか。

どんな工具が必要なのか。

一つひとつ考えながら作業を進めてもらいました。

クランクやボトムブラケット(B/B)など、特殊工具が必要な箇所については、その役割や工具の使い方を解説。

そして約100分後。

なんと、車輪以外の部分を無事にすべて分解することができました!

初めての解体作業としては、なかなかのものです。

■ あえて教えすぎない。それも技術指導のひとつ

今回、私が特に意識したことがあります。

それは、「危険な作業以外では、できるだけ口を出さない」 ということ。

もちろん、安全に関わることはその場で指導します。

しかし、それ以外はなるべく自分で考え、試行錯誤してもらいました。

工具を当ててみる。

構造を観察する。

うまくいかなければ、別の方法を考える。

この繰り返しこそが、技術を身につけるうえで大切だと私は考えています。

そして驚いたのは、B君のセンスの良さです。

初めて触れる構造にもかかわらず、自分で工夫しながら着実に分解を進めていく。

教えられたことを覚えるだけでなく、自分の頭で考えて作業できる。

これは技術者として、とても大切な素質だと思います。

今後の成長が本当に楽しみです!

■ 技術を受け継ぐことは、未来の可能性を広げること

私たち一般社団法人 自転車技術者協会が目指しているのは、単に自転車を修理することだけではありません。

まだ使える自転車を再生する。

捨てられるはずの部品に、もう一度価値を与える。

そして、培ってきた技術を次の世代へつないでいく。

技術を身につけた人が、新しい仕事を生み出し、事業として成長していく。

そんな循環をつくりたいと考えています。

今回のB君との出会いは、その未来につながる新たな一歩になるかもしれません。

最初は一台の自転車を分解するところから。

しかし、その小さな一歩の先には、国内販売やパーツセンター、さらには新しい自転車の流通の仕組みが生まれる可能性があります。

私自身も、教えることで改めて技術を見つめ直し、多くのことを学ばせていただきました。

人が育てば、技術が残る。

技術が残れば、資源が活きる。

資源が活きれば、新しい仕事が生まれる。

これこそ、私たちが目指す循環の形です。

B君の壮大な夢が、これからどのように形になっていくのか。

私も楽しみながら、しっかり伴走していきたいと思います。

ボィヨ君、初日の技術講習お疲れさまでした!

これから一緒に、ワクワクする未来をつくっていきましょう!

⸻

一般社団法人 自転車技術者協会

代表理事 中根和宏

人・技術・資源・想いを循環させ、笑顔と挑戦を未来へつなぐ。