技術継承への挑戦②

前回100分の作業が大幅短縮!B君、自転車技術講習2日目で見せた成長

2026年10月5日(月)

前回の講習から、わずか3日。

B君は再び、自転車の解体作業に挑戦しました。

初日は、工具の使い方や自転車の基本構造を確認しながら、車輪以外の部分を分解するのに約100分かかりました。

では、2回目の今回はどうだったのでしょうか。

前回の経験を活かし、作業のスピードも理解度も大きく向上。さらに、ベルトドライブやホイール、ハブ、ブレーキなど、より専門的な構造にも触れました。

今回は、B君の成長が感じられた講習2日目の様子をお届けします。

■ まずは前回のおさらい。小さな部品にも大切な役割がある

講習は、前回学んだ内容の振り返りからスタートしました。

最初に確認したのは、自転車のタイヤに空気を入れるための「バルブ」です。

バルブとは、空気を入れたり、タイヤの中の空気を保ったりする部品のこと。普段はあまり意識しない部分ですが、いくつかの小さな部品が組み合わさって機能しています。

今回は、バルブの構造や各部品の名称を確認しながら、タイヤの取り外し方も学びました。

ただ外し方を覚えるだけではなく、

● どの部品がどの位置にあるのか

● どのような仕組みで固定されているのか

● どの順番で作業すれば安全なのか

を理解することが大切です。

こうした基礎知識の積み重ねが、将来の修理や自転車の再生技術につながっていきます。

■ 前回約100分の作業が大幅短縮!B君の成長に驚き

今回も教材として使用したのは、ブリヂストンの「シングルスター273」です。

前回は、初めて触る工具や部品に戸惑いながら、車輪以外の部分を分解するのに約100分かかりました。

今回は、その経験を活かして同じ車種の解体に再挑戦です。

すると、作業開始直後から前回との違いが見えてきました。

工具を持つ手つきが安定し、分解する順番も少しずつ身についています。前回は一つひとつ確認しながら進めていた作業も、今回は迷う時間が減り、タイヤの取り外しまでスムーズに進めることができました。

わずか2回目の講習で、ここまで変わるのか!

私自身も、B君の成長ぶりに驚かされました。

もちろん、作業は速ければ良いというものではありません。

最も大切なのは、安全に、そして確実に作業することです。そのうえで作業時間が短くなったということは、自転車の構造や作業手順を少しずつ理解できてきた証拠でもあります。

前回の経験が、しっかりと今回の作業につながっていました。

■ ベルトドライブとは?チェーンを使わない駆動方式を体験

休憩後は、「ベルトドライブ」の解体に挑戦しました。

ベルトドライブとは、一般的な自転車に使われている金属製のチェーンの代わりに、ベルトを使ってペダルの力を後輪へ伝える仕組みです。

チェーンとは異なる構造のため、取り外し方や整備方法にも違いがあります。

今回は、実際の車両を分解しながら、ベルトの取り外し方を確認しました。

自転車には、チェーンを使うタイプやベルトを使うタイプなど、さまざまな駆動方式があります。

駆動方式とは、ペダルをこぐ力を車輪へ伝える仕組みのことです。

これから多種多様な自転車を扱うためには、それぞれの構造や特徴を知っておく必要があります。

教科書で学ぶだけでなく、実際に手を動かして分解することで、部品の位置や動き方をより具体的に理解できます。

■ ブレーキレバーとグリップを取り外し。分解は観察力も大切

続いて、ハンドル周辺の部品を分解しました。

今回取り外したのは、ブレーキレバーとグリップです。

ブレーキレバーは、握ることでブレーキを作動させる部品。グリップは、ハンドルを握りやすくするための部品です。

一見すると簡単な作業に見えますが、自転車の解体では、部品の固定方法や取り付け位置を観察することが重要です。

作業中は、次のような点にも注目します。

● どこにネジが使われているのか

● どのような方法で固定されているのか

● 取り外した部品は再利用できるのか

● 部品に傷や劣化がないか

こうした視点を持つことは、将来の「リビルト部品」の選別にも役立ちます。

リビルト部品とは、使用済みの部品を点検・整備し、再び使える状態にしたものです。

自転車をただ分解するのではなく、部品を再利用できるかどうかまで考えながら作業することが、再生技術の第一歩になります。

まずは構造を理解し、正しい工具の使い方を覚えること

■ ホイールをさらに分解!スポークとニップルの役割を学ぶ

講習の後半は、ホイールの解体です。

ホイールは、主に次のような部品で構成されています。

● リム:タイヤを取り付ける外周部分

● ハブ:車輪の中心にある回転部分

● スポーク:ハブとリムをつなぐ細い棒状の部品

● ニップル:スポークをリムに固定する小さな部品

今回のテーマは、スポークとニップルです。

スポークは、車輪の中心にあるハブと外周のリムをつなぎ、ホイール全体を支えています。

ニップルは、スポークをリムに固定し、張り具合を調整するための部品です。

スポークやニップルの状態は、ホイールの強度や回転の正確さにも関わります。

今回は、ニップルの取り外し方を確認し、スポークを傷めないよう注意しながら、一つひとつ作業を進めました。

最初から速く作業する必要はありません。

「一つできるようになったら、次の一つへ」

この積み重ねが、確かな技術につながっていきます。

■ ハブとブレーキの違いも確認。自転車は車種ごとに構造が違う

さらに今回は、ホイール周辺の構造についても学びました。

取り上げたのは、3段変速に使われるハブと、ブレーキの種類です。

ハブとは、ホイールの中心にある回転部分のこと。今回は「通しハブ」と「引っ掛けハブ」の違いについて確認しました。

また、ブレーキについては、次の2種類を学びました。

● ローラーブレーキ:内部のローラーを使って制動するブレーキ

● バンドブレーキ:ドラムの外側にバンドを締め付けて止めるブレーキ

どちらも後輪側に使われることがありますが、内部の構造や取り外し方は異なります。

自転車は、同じように見えても、メーカーや車種によって部品の形や取り付け方法が違います。

構造を知らずに無理やり分解すると、部品を傷めたり、破損させたりする可能性があります。

だからこそ、まずは違いを知ること。

そして、実物を見て、触って、構造を理解することが大切です。

■ 技術は一日では身につかない。だからこそ成長が面白い

第2回の技術講習を終えて、改めて感じたことがあります。

それは、人は経験を重ねることで、確実に成長していくということです。

前回は、初めての作業に約100分かかりました。

今回は同じ車種の解体に再び挑戦し、工具の扱いや作業の順番に明らかな変化が見られました。

さらに、タイヤ、ベルトドライブ、ホイール、ハブ、ブレーキと、学ぶ範囲も広がっています。

まだまだ覚えることはたくさんあります。

しかし、焦る必要はありません。

一つひとつの構造を理解し、工具の使い方を覚え、実際の作業を経験する。その積み重ねの先に、本当の技術が身についていくのだと思います。

■ 技術を受け継ぎ、自転車と資源を未来へつなぐ

私たち一般社団法人 自転車技術者協会が目指しているのは、単に自転車の作業ができる人を増やすことではありません。

自分で考え、判断し、技術を活かして新しい価値を生み出せる人材を育てること。

そして、その技術を自転車の再生や資源の有効活用につなげ、新たな仕事を生み出していくことです。

B君が初日に語ってくれた、国内での中古自転車販売やパーツセンター構想。

その夢の実現に向けて、今はまだ小さな一歩かもしれません。

しかし、今回覚えた一つひとつの技術が、いつか大きな力になるはずです。

人が育ち、技術が受け継がれ、資源が再び活かされる。

そんな未来を目指して、これからも技術講習を続けていきます。

B君、第2回の講習もお疲れさまでした!

次回はどんな成長を見せてくれるのか、今から楽しみです。

一般社団法人 自転車技術者協会

代表理事 中根和宏

人・技術・資源・想いを循環させ、笑顔と挑戦を未来へつなぐ。