SEIKO社の粋な取り組み

こんにちは。代表理事の中根です。

昨日は時の記念日という事でした。

新聞の見開き広告に驚かされました。1ページ2,500万円といわれる広告を2ページ使ってのパフォーマンス。

創業140年記念という事も含めての意気込みが伝わってきました。

リペア、リニューアル、リメイクなど『リ』のつく動きが今後の脱炭素化に必要なキーワードになって来ている証拠だと思います。

使い捨てではなく職人が丹精込めて仕上げた高級品を永く使う為に職人がまた腕を奮うという事をSEIKO社が時の記念日に提唱されたのだと思います。

5,000万円もの広告費用を使って腕の良い職人が在籍している事、ブランドを守っていこうとする意気込みが伝わってきました。

一方、自転車業界では職人、技術者がとても少なくなってきてしまいました。

OEM工場の提示する品物を仕入れて売っていくだけのルーティン化してしまい流通に高い給料の技術者は淘汰されていってしまった気がします。

原材料、生産国の人件費、世界的な自転車需要からくる部品の高騰など新車の生産がコロナ前の様に間に合わなくなってきている今、日本国内での需要を今後満たし切れない可能性も出てきております。

事実、スポーツ自転車などは部品が間に合わない為、注文したバイクが店頭に届くのが半年後とか未定という現状も出ております。

そうなるとリペア、リメイク、リサイクルという『リ』のキーワードが大事になって来ると思うのです。それにはテキストやマニュアルではなく実技としての技術、経験値が必要なのです。

どうしても海外のOEM生産をしていると細かな所まで触ったり弄ったりする事が少なく経験値を上げる事ができません。

ですから今がチャンスだと思うのです。

自転車をバラしたりしながら壊れた部品を替えたりしながら部品や工具の癖やコツを覚える事で更に経験値を上げる事ができるのです。

SEIKO社さんの様に高級ブランドを持っていれば腕の良い職人が更に腕を奮う事ができます。から自転車も今後高級路線に移っていくと思います。

良い物を直してコンディションを調えていく技術を身につけさえすればそれが宝になります。

当然、手が汚れる仕事ではありますが技術を競う事で更に次元の高い仕事が可能になっていくと思います。

職人の評価は基本工賃で決まっていきます。経験値を上げる事で更に収入を上げていける職業です。

気になる方はHPのお問い合わせ欄よりなんなりとお願いします。

今日もここまで読んでいただいたご縁に感謝します。

ありがとうございました。

一般社団法人 自転車技術者協会

代表理事 中根和宏