捨てられるはずだった自転車が、今度は被災地を走る。

今回、廃棄される予定だった27インチの自転車を「バイクリボーン」で再生し、さらにノーパンクタイヤを装着して、名古屋ボラソンさんへ寄贈させていただきました。

残念ながら、引き取ってきた当時の写真がどこかへ行ってしまいました……。

でも、そこから手を入れ、使える部品を活かし、整備して完成したのがこの一台です。

27インチ・外装6段変速・LEDオートライト付き。

そして今回、この自転車には大きな役割を持たせるため、ノーパンクタイヤ仕様に仕上げました。

「正義の味方」という言葉が似合う人

今回、自転車をお渡ししたのは、名古屋ボラソンの太田さん。

太田さんとは一昨年知り合ったので、お付き合いそのものはまだそれほど長くありません。

しかし、太田さんの活動を知れば知るほど、

「この人、本当にいつ休んでいるんだろう?」

と思ってしまいます。

太田さんは現在、名古屋市の消防士。

普段は人の命や暮らしを守る仕事に携わりながら、休日になるとレスキューの現場で培った知識、経験、体力を活かして被災地へ向かい、ボランティア活動を続けています。

しかも、その活動の多くが自費だったのですが最近は彼の応援する人たちの募金や企業からの協賛品も出るようになりそれを車に積んで走っておられます。

そして今後は日本財団 さんに 名古屋ボラソンの活動が認められたようです。

千葉の水害や熊本の地震など、遠く離れた地域で起きた災害も「誰かのこと」ではなく、まるで自分のことのように受け止めて何度も現地へ足を運ぶ。

先日は名古屋でしかも彼の家のそばの川が氾濫しそうなのに熊本の被災地から名古屋の情報を集めてどこが危ないとか避難所の指示をオープンチャットて出していたことも記憶に新しいです。

あまりにもあちこちで活動されているので、

「太田さん、何人かいるんじゃないの?」

と“影武者説”が出てもおかしくないくらいです(笑)。

でも、その姿を見ていると笑い話だけでは終われません。

自分の休日と、自分のお金と、自分の体力を使って、困っている人のために動く。

私には、

「正義の味方」

という言葉が、とてもよく似合う人に見えます。

廃棄自転車を「バイクリボーン」で再び社会へ

私たちが取り組んでいる「バイクリボーン」は、単なる中古自転車販売ではありません。

廃棄される自転車を引き取り、

「これは本当にゴミなのか?」

と、もう一度考えるところから始まります。

フレーム、ホイール、カゴ、部品……。

まだ使えるものを見極め、整備し、必要に応じて部品を交換する。

そして、もう一度安心して走れる自転車として社会へ戻していく。

今回の一台も、そうして生まれ変わりました。

ただ再生して販売するのではなく、

「この自転車を、本当に必要としている場所で使ってもらえないだろうか?」

そこから今回の寄贈につながりました。

能登のボランティア活動拠点へ

今回の自転車は、太田さんの手によって、一度能登の被災地へ持って行っていただける予定です。

能登では、発災から時間が経過しても支援や復興の取り組みが続いています。名古屋市でも2026年5月時点で能登半島地震に関する支援情報を継続して案内しています。

現地では、ボランティアの皆さんが集まる活動拠点で、この自転車を活用していただけるとのこと。

そこで力を発揮するのが、今回装着したノーパンクタイヤです。

被災地では、道路や路肩などに瓦礫やガラス片などが残っている場所も考えられます。

通常の空気入りタイヤなら、異物を踏んでパンクしてしまえば、そこで移動できなくなります。

しかしノーパンクタイヤなら、空気が入っていないためパンクによる走行不能のリスクを避けられます。

まさに、

ノーパンクタイヤの「戦闘力」を発揮できる場所。

人を助けるために動くボランティアさんの「足」として、この自転車が活躍してくれたら、これほど嬉しいことはありません。

「廃棄物」だったものが「誰かを助ける道具」になる

今回の取り組みで、改めて感じたことがあります。

廃棄自転車は、見方を変えればただのゴミではありません。

技術を加えることで、もう一度価値を持たせることができる資源です。

捨てられるはずだった自転車を回収する。

整備士の技術で再生する。

ノーパンクタイヤを装着する。

そして被災地へ送り出す。

その先で、誰かの移動を助ける。

その移動によって、さらに誰かが助けられるかもしれない。

そう考えると、一台の廃棄自転車から始まった小さな循環が、どんどん大きな循環になっていきます。

人が動く。
技術が活きる。
資源が蘇る。
そして想いが次の人へつながっていく。

これこそ、私たちがバイクリボーンを通して実現したいことの一つです。

自転車屋だからできる社会貢献を

新品の自転車を寄贈することも、もちろん素晴らしい支援だと思います。

でも私たちは、自転車を修理し、再生する技術を持つ人間です。

だったら、

「自転車屋だからこそできる支援の形があるんじゃないか」

と思っています。

捨てられる自転車を減らす。

使える部品を捨てない。

整備技術を次の世代へ残す。

そして再生した自転車を、必要としている人のところへ届ける。

環境問題、資源循環、技術継承、そして地域・社会貢献。

これらは別々の話ではなく、実は一本につながっています。

今回送り出した緑色の自転車が、能登の地を走り、ボランティアの皆さんの活動を少しでも支えてくれることを願っています。

そして太田さん。

いつも本当にお疲れさまです。

くれぐれもご自身の身体も大切にしながら、これからもその熱い活動を続けてください。

私たちも、自転車屋としてできる方法で応援していきます。

廃棄から、再生へ。
再生から、支援へ。
一台の自転車から、人・技術・資源・想いを循環させていく。

これからも「バイクリボーン」の可能性を広げていきます。

🎥 今回寄贈したノーパンク自転車を動画でも紹介しています

YouTube「仕上がりました‼️名古屋ボラソンさんに寄贈のノーパンクママチャリ‼️」⁠