起業トレンド

こんにちは。代表理事の中根です。

今朝の新聞より。コロナを機に起業熱が上がっているという数字が出ました。

自治体の後押しなども手伝って山口県、長崎県、山梨県で50%増加だとの事。

いろんなところに商機を見出して取り組まれる方が増えたという事でしょう。

そこで自転車業界からの誘いをさせていただきます。

自転車業界は毎年安定した台数を流通させている業界です。

ところが街の自転車店の数はこの30年で3万軒以上から9000軒に激減してしまいました。

後継が居ないのです。

そこには大量生産、大量消費で安く沢山売るお店へ消費がシフトして来た事が大きな原因だと考えられます。

私も自転車屋の息子ですので両親が嘆いているのを傍で聞いて来ました。

丁度、第二次石油ショック後辺りからだったと思います。ご近所さんがホームセンターなどで買われた自転車を乗っておられるのを見て大資本には勝てない。これからは自転車屋はダメだとマイナスイメージを擦り込まれて来ました。

幸い、学業が『学苦行』だったせいで自転車業界にコネで入り今に至ります。

長年、業界に居て思うのですが多くの自転車屋さんも生き残りの努力をされてない所が多いのに気が付きました。技術を発揮してそれをマネジメントする事を忘れてしまっている方が多く、メーカーや問屋さんと膝を突き合わせて話をする方が少なかったですね。

ただただ、値段の交渉だけが全てではないと思ったものです。

お客様に来ていただける店作り(魅せ創り)をされてる処はやはりいつも賑やかなお店になっているのも事実です。

コロナを機に今まで対岸の火事くらいに思っていた脱炭素化が重要課題になり世界的に産業の在り方が変わって来ました。自動車はEVや自動運転を目指してクリーンな世の中の乗り物、存在そのものを生活や街として動きだしています。

大量生産、大量消費していた自転車も現在、世界的な需要に部品が間に合わず生産が間に合わなくなったり原料や人件費の値上がりから自転車の価格そのものも上がって来ました。

パンクしたから乗らずに放置自転車として処分に二酸化炭素を排出。その処分費は行政が払っているのです。

これからの自転車店に求められるのはパンクをしない自転車の施工と修理技術。

今までは安いからと使い捨てにしていた自転車の常識がコロナを機に手に入りづらくなって定価が上がって来ています。

今はまだ半導体の不足で自動車の生産が本格的では無いので鉄などが手に入るのでしょうが半導体が間に合って生産が本格的になった時、鉄、アルミ、銅、ステンレスの原料が一気に上がり争奪戦になるでしょう。

当然、そこで調達する部署やその方々の人件費も加味されて来るので自転車は安く買えるもんだという今までの既成概念は早々に崩れるでしょう。

今までの倍程する自転車を買った人は大事に乗りますから中古市場というのも拡大していく事になるでしょう。

買い替えを促す売り方が間違っているわけではありません。今後、今乗ってる自転車を直して乗り続けたいという需要が増えていく事は想像がつきます。

その直せる人が現在圧倒的にたりないのです。

自転車の技術者と言うとどうしても自転車を沢山仕入れて売ってという今までの概念でイメージしてしまいがちですが、これからは技術と工具を持って補修品の入手経路さえ確保していけば需要が有り当然仕事も増えるわけです。

事実、あるメーカー様から常時、や随時で技術者を紹介してほしいという問い合わせはきております。

技術職ですからそこそこの稼ぎにはなるように紹介しております。

現在、その需要に対して技術者が圧倒的に足りないのが現状なのです。

スポーツバイクの場合は部品の技術革新が日進月歩なのとユーザーの知識や技術も高度ですから勉強が必要ですが、一般車に関してはJIS規格に沿って造られた部品はメーカーが違っても使う工具やトルクなどはほぼ同じなので車種に応じて工具を沢山持つ必要も有りません。

自動車の整備と違って大きな整備工場や支柱リフトを据え付ける必要もありませんから場所の規制もあまり無いのです。

汚いからとか儲からなさそうだからとかいう思い込みで敬遠されがちですが自転車屋さんが経営不振で潰れたというのは聞いたことがありません。(先物取引などで失敗したからとかいう理由でなら有りますが)飲食店と違ってリスクが少ないので『喰えていける業界』なのです。

詳しいことはお問い合わせいただいた方に電話やZOOMなどでお伝えしていっております。テキストにすると長くなりますし他業種を批判するように聞こえてしまうからです。

新たな事業として起業としていろいろ考えて今後は複業を持つ時代になるでしょう。

簡単では有りませんがリスクが少なく稼ぎ易いスキームがまだまだ沢山ある自転車業界。

先ずは技術や資格を手にして戴くのも『芸は身を助ける』と『手に職』という可能性を拡げてくれるはずです。

今日も此処まで読んでいただいたご縁に感謝します。

ありがとうございました。

一般社団法人 自転車技術者協会

代表理事 中根和宏