正義の味方‼️

自転車温故知新

こんにちは。

代表理事の中根です。

昨日、久々に師匠のところに顔を出して来ました。

師匠は17年くらい前に亡くなったのですが奥様がお店を守っておられ時々お伺いしてお手伝いしたりしてくるのです。

店頭にあった実用車でタイヤ交換をお手伝いした方が良いのかな?と思っていたところ、これは古いからお客様が代わりを購入されて処分するという事でした。

私の悪い癖で古い物に見入ってしまいいただいて来てしまいました。

それがこの車両です。

33年前のツノダ製。丁度この時は私自身ツノダの社員として名古屋の西区の問屋さんに出向に出ていた時の物です。

溶接していた人、車輪を外注担当の人、塗装をしてる人、生産ラインで組み付けしてる人達など回想出来ました。

こうして見てみると脱炭素化されていたんだなぁと気付きました。樹脂製品が極端に少ないのです。サドルが現代の物になっていますがこの当時のサドルはベースはスチールそこに圧縮したスポンジを乗せてビニール製の表皮を被っていました。(現代はベースがプラスチック)

このひと時代昔だとサドルベースが鋼線で表皮に革を張った物になります。

この部品ですと一つづつ手作業ですので高価であったのですが50年経過しても現役で使えています。大量生産大量消費の時代には安くて代用出来る石油加工の製品になってしまいました。

近年の脱炭素化では脱化石燃料で二酸化炭素発生を抑えようという世界的な動きですと昔ながらのサドルだと鉄は再生出来、革は二酸化炭素を発生せず土に還るので環境に優しい部品なんですよね。(この画像は62年前の自転車のサドルです)

ペダルはゴム製ですが33年使ってこの減り具合ですとまだまだ50年は使えそうです。

唯一タイヤ、チューブは消耗品なのですがチューブは再生する業者様が居られたりするのでタイヤのみが二酸化炭素発生する対象部品です。但し交換する時、タイヤの肉厚は著しく薄くなっており個体差はあるものの500g/1本になります。

今後、このタイヤの再生方法や有効な処理方法が出来ていけば更に環境に優しい物に仕上がっていきます。

そう思っていところ今日の新聞にカネカが海洋性分解樹脂の増産という記事を見つけました。

今問題になっている海中のプラスチックゴミ問題のも明るい話題であると思います。

この素材を使ったサドルなどの樹脂製品に切り替わっていけば現代のデザインの自転車が60年前のレベルの脱炭素化を果たす事ができる様に思います。

但し記事にもある通り従来の2倍の価格。もしかしたらあらゆる工場がこの素材にする事で原料が不足してもっと値上がりする事もあるかもしれませんね。

現在、金属の原料が脱炭素化でどんどん値上がりしております。あわせて原油の高騰で流通コストが跳ね上がりあらゆる物の価格に転嫁され今までの様な手軽に安くという考え方の根底が覆る様な時代が来たと思っております。

地球の為、次世代の子供たちのため少しでも気温上昇を抑える行動と企業努力していきます

『壊れたら買い換える』昭和の発想から『直して永く使う』発想が今後のトレンドのような気がします。

偶然立ち寄った師匠の御宅でしたが『中根。これから学べ〜』って師匠からの檄が飛んだような気持ちになれました。

流石師匠。天国からのリモートでヒントを提示してくださいました。ありがとうございます

弊協会では自転車の整備。自転車技士の育成も行っておりますが特に修理など応用問題とノーパンク車輪の施工を中心に学んでいただいております。

修理をするお店が減ってしまった事で買い換えという選択肢をされている方々へリペアしてくださる技術者がいらっしゃるのなら直して乗りたいと思われるはず。

そしてパンクで乗れなくなった自転車を直すお店に持って行く事が困難で廃棄してしまう事が無くなっていけば街の美観も損なわずユーザーも永く大事に乗れる訳です。

工具と技術を持った方が増えれば正義の味方の如く喜んでいただける仕事になっていくはずです。

店舗や在庫は二の次で良いのでローリスクであると言えます。

質問は何なりとHPのお問合せ欄よりお願いします。

今日もここまで読んでいただいたご縁に感謝します。

ありがとうございました

一般社団法人 自転車技術者協会

代表理事 中根和宏