こんにちは
代表理事の中根です。
大変ご無沙汰いたしておりました。
レポート⑤のアップロード後、Aさんがお越しになり車輪組に再度チャレンジされました。
前回は仮組と振れ取りを別々の日で実施したのですが今回は仮組から振れ取りまでを同日で仕上げるトライをしていただきました。
バラしの時にスポークが裏と表から交互に差し込んでいることをご理解いただけていたのでJIS組でのトライ。
一本目をおもむろに上のフランジに差し込んだ後下のフランジに垂直に垂らした右側の穴にスポークを通してJIS組の準備完了。
一つおきに上下のフランジに差し込みハブを逆さまにする時レクチャを忘れた為差し込んだスポークが数本抜け落ちるハプニングありましたがもう一度リトライしスムーズにスポーク通し完了。
興味があるというのはこういう細かいところまで観察しながらバラしをしてくれてたんだなぁと感心しつつ仮組のニップルを手に取ってくれました。
リズミカルにバルブ穴の隣からニップルを仮留めして2回目とは思えないほどスムーズ進んでいきます。
上のフランジのニップル仮留めが終わった後、ここからが中根メソッド‼︎
ほとんどの自転車屋さんが車輪をひっくり返されるのですが車輪をそのままにして仮留めを進めていきます。
メリット
❶リムが宙に浮いた状態なのでニッピルの角が穴に引っかかることが少ない
❷ひっくり返すとスポークが踊るのであぶない
❸時間の短縮になる
Aさんは初めての仮組からこのメソッドなのでひっくり返すことを知らないので例えば試験会場などに入った時周りの組み立てスピードよりとても速いことにビックリされることでしょう。
スポーク通しから35分ほどで仮組が完了。
ここから中根メソッドでは振れ取り台に掛ける前に仮締をします。
#13-#14スポークの後ろ車輪なのでスポークのニップルネジ部分は#14。
このスレッド(ネジきり)の付け根から一山くらいを残して細いマイナスドライバーで36個のニップルを締めていきます。
5分ほどで仕上がり振れ取り台にかけます。
車輪センターを確認しながら同時に縦フレ(天ブレ)を調整していきました。
7分程でセンターが出てここからは横フレ取り。
慎重に少しずつ締めていくことでちょっと時間は掛かりましたが一気に締め上げて後から緩める事を考えればこれくらいがちょうど良い進捗です。
慣れればスポークのテンションを感じながらニップルの回転を調整できる様になるのでそうなれば大幅に時短が可能になっていきます。
今回は90°ずつニップルを回していくことで少しづつスポークが張っていく様を体感していただけました。
今回は車輪組から振れ取りまでを2時間で完成させてくれました。
人生2度目の車輪組を2時間で終えられたAさんの集中力が素晴らしいです。
この車輪はリビルト車輪として修理などの再販に活用させていただきます。
今日もここまで読んでいただいたご縁に感謝します。
一般社団法人 自転車技術者協会
代表理事 中根和宏