こんにちは。代表理事の中根です。
今回はAさんの3回目受講レポート。
今回はブリヂストンサイクルのスタッカードフレーム27。5段変速の車両。
この個体は全体に劣化が酷くチェーン、ギヤの摩耗もあり解体したり摩耗などの解説をするにはもってこいの教材です。
自転車店では邪魔なゴミなのですが弊協会では教材として活躍する頼もしい車両です。
新車の整備では得られない情報や症状が満載です。
①2台目とは思えない程の軽快な手つきで前車輪、ハンドルを外しこちらがビックリ‼️
どうやら前回のバラしの後イメージトレーニングをされていたのでしょうね。
②この車両はシマノのインター5なので後ろ車両を外す前にシフトワイヤーを外すのですが前回バラしたインター3とは機構が違いますので取り外し方をゆっくりお見せしてボルトの脱着をなん度も確認していただきました。
上級機種にしか採用されないのであまり馴染みの無い部品(機構)なのですがいざとなった時に動画や写真を観ても解らないので体感しておいてもらえれば忘れてしまっても動画を観た時に思い出せるのです。
シフトワイヤーの脱着に納得していただき、後車輪を外せました。
③その時のAさんに新たな好奇心が芽生えました。
チェーン引きの形と構造が気になる様です。
元々、講習車両はチェーンが伸びきっているものだったのでチェーンを緩めなくても車輪をはずすことが出来たのです。
何のためにあるのか?
に応える為もう一度後車両をセットしてチェーン引きを締めることでチェーンが張っていく様を体感して反復練習していただきました。
この車両はチェーンが出ているピストルケースなので調整がし易かったけど、ママチャリの様な全ケースだと走ってる時にチェーンがケースに当たってパチャパチャ音がしたりチェーンが外れたりするという話をしているところでご近所さんが当該車両に乗って来られました。走ってるとうるさいとの症状で正にタイムリー❣️
チェーン引きを締めながらパチャパチャいう音が無くなっていくのを隣で確認いただき後車輪脱着で多くの情報を吸収いただきました。
④私の不手際でペンチ型のチェーンカッターを何処かに仕舞い込んで直ぐに出なかったのでHGチェーンカッターでチェーンを切って繋げる練習もしていただきました。
本来、このサイズのチェーンはペンチタイプで切断、接続する方が楽なのです。
(Aさんが帰宅された後、ペンチタイプが見つかりました)
チェーンのピンを確認で切ったり繋いだりして慣れていく途中。大きな声でアッ‼️‼️って出されるもんだから工具で怪我したのかとビックリしたら通常車輪が入っていてチェーンを繋ぐ時やり辛いのでは❓との質問。
頭の中では車両を装着してのチェーンの脱着などをイメージしたのでしょうね。
こういう好奇心や観察力などが豊富な人は教えがいがありますし覚えも早いんです。
ギヤにチェーンを掛けずにジョイントしてからチェーンを後ろのギヤに掛けてフロントギヤの下側の引っ掛けたあとクランクを逆回転させる事をレクチャーしたところ恐る恐るクランクを逆回転させて歓喜の声が上がりました。
自転車のチェーンは大まかには2種類。
①シングルギヤの1/2×1/8(通称1/8)これはいわゆるママチャリ用
②一般の多段式ギヤ用。
最新のロードバイクなどはコンポーネントに合ったチェーンを指すので上記の様な呼び方はせず製品記号などで呼称します。
①と②の違いはチェーンの厚みと横のしなりです。
②はチェーンが左右に動く為横方向のしなりが必要になります。最近では11速がありますのでギヤの歯を薄くして限られたスペースに11速が入っている為、強くて薄くてしなやかなチェーン。当然、グレードによって値段も様々です。
話がそれましたがチェーンを繋ぐ時や引っ掛ける時の手順はママチャリもロードバイクも同じなのです。
こうやって応用を高めていくと技術習得に夢が広がりますよね。
応援してくださっているお父さんのプレゼントでツールセットを大事にもってこられましたのでこれを最大限に活用出来る様にレクチャーしていきます。
また一つスキルアップされたAさん。
満足度満点で帰っていかれました。
今日もここまで読んでいただいたご縁に感謝します。
ありがとうございました
一般社団法人 自転車技術者協会
代表理事 中根和宏