技術指導最終回

こんにちは。代表理事の中根です。

ご無沙汰してしまってます。

毎月お邪魔させていただいている姫路の案件。8/19に行ってきました。

現在、別件で承っている名古屋市の自転車屋さんの廃業に伴うお片付けで毎晩分別に伺っているのですがそこのお店で使われていた道具一式を姫路に持ち込んで役に立てていただくことになりました。

使わなければ鉄屑にするだけなのですがいざ買おうとすると結構なお値段したり現在では売られてない道具も有り次の職人さんにバトンが渡せた事に一安心出来ました。

さて、試験まで2週間と迫り担当のTさん仕事やプライベートの時間を色々やりくりしてかなり上達されました。

トータルでチェックさせていただきました。

車輪組み立てでは自己流が定着して組み立て時間を長くしてしまうところをキツく指摘してやり直し25分掛かっていた仮組み立てを16分弱に短縮成功。

振れ取りは大得意でしたので振れ取りが終わるのに23分!!!

リムバンド、タイヤチューブを嵌めて空気を入れ終わるまで28分ほどで仕上がりました。

一番手間のかかる後ろ車輪を30分切って仕上げられればゆとりが出来ますので次へ進みます。

今度は自転車を仕上げていきます。

ここでも自己流が出てしまい組み上がるのが64分も掛かってしまいました。

お昼休憩を挟んで組み立てする時、フランス料理のように手に取るフォークやナイフを工具に見立てて順番に並べて、一つの道具を持ったらそれを使うネジを全て締めて使い終わったら工具箱に仕舞う事をお約束にしました。

効果覿面‼️

ネジの締め忘れ、部品のつけ忘れが無くなり道具を探すわずかな時間さえ削減出来てテキパキと組み立てが出来るようになり56分で出来るようになりました。

この後はちょっと苦手であろう前後ディレーラーの調整のコツと試験の時の注意点、Vブレーキの調整を反復練習。かなり時短が出来るようになりました。

何故、私がコレだけ時短に拘るのかというと試験会場で真っ先に組み上げた時の達成感と周りからの羨望の視線が今後の自身や励みになるからです。

手前味噌になりますが私が伝授するからには合格することは当たり前でその受験を有効活用していただく事を目指しているのです。

40年ほど前、私が受験した時と今ではレギュレーションが違いますが当時の師匠に30分で仕上げて会場を出ろと言われて毎晩練習していました。なかなか35分の壁を破れなかったんですが当日は32分間程で仕上げで周りが車輪組み立てしてる真っ最中に退場してその時同じく受験していた方から今だに驚異的な速さだったと言ってあただけているのです。

自転車技士の資格と実際のフィールドではイレギュラーが多くて思うようにいかないことも有りますが合格したというのと一番で合格したという誇りは今後のTさんを支えてくれるモノだと信じております。

そして9/2のお昼。兵庫会場のTさんから『今、実技試験終わりました。スマホの電源切ってるので正確な時間は判りませんが50分ほどで出来上がって途中退場できないので暇を持て余してました』という電話が入りました。

お疲れ様。午後からの筆記試験と面接頑張ってねと言った後嬉しくて涙が出て止まりませんでした。

お盆やプライベートの時間を切り詰めて本番で50分で組み上げることができた自信はきっと今後のTさんを支えてくれることでしょう。

無理難題を言ってきましたが投げ出すことなくスキルを上げていただいたことに感謝します。

今日もここまで読んでいただけたご縁に重ね重ね感謝です。

ありがとうございました。

一般社団法人 自転車技術者協会

代表理事 中根和宏