自転車店ビジネスの見直し

こんにちは。

代表理事の中根です。

さて、自転車店って言葉を聞いた時、皆さんはどんな事をイメージされるでしょうか?

千差万別だと思います。

私自身もいろんなイメージを持っています。

敢えてメリットを列挙してみます

○賞味期限がほぼ無い

 ●タイヤ、チューブ、虫ゴムなどゴム製品は経年劣化がある

○資格は必要だが後日取得でも可

 ●飲食業のように公的機関への申請が必要ない

 ●登録業務をする場合は組合への加入が必要

○代車などを用意する事で修理に時間のゆとりを確保できる。

○車に比べて部品点数が少なく応用が効きやすい

○部品規格が共通している事で最小限の工具でスタートできる

○警察へ古物申請する事でリサイクル車を扱う事ができる

 ●次会これに関してのコンテンツはアップしていきます

 ●たかだか古い自転車でもこれが宝の山。

 ●引取代金をいただける場合がある。

○スキルさえ磨けば工賃仕事が主流なので利益率の高い。

○自転車店が高齢化、減少しているのに乗る人の数は増加

○定期点検、TSマークを付帯して案内すると来客安定。

 ●TSマークについては資格と組合への加入が必要

 ●自転車保険の義務化をしている自治体が増えてきた。

 ●加入時の用紙に葉書が付帯。一年後投函するだけ

 ●切手1枚で点検代、保険料の回収が毎年出来る。

 ●点検時、事前に修理見積もりをする事で喜ばれる。

○修理で出たゴミは工夫次第でお金になりリデュース出来る

 ●別途コンテンツをあげますが金属全てに値段があるのです

 ●食品業界だと犯罪ですが自転車店万歳。

○今後、団塊の世代が高齢化で免許返納で自転車人口が増える

○二酸化炭素、経費削減の為営業車を電動アシストに切り替えて来る法人が増えてきた。

 ●会社の休みに直してくれるお店を探している。

ざっと挙げてみました。なるほどと思われた方も多いと思います。

実際、イオンさんなど大手チェーン店はそこを見越して出店されていると思うのですが古物をとられていないので中古を扱ったりパーツリサイクルなどが出来ないところが抜け道なのです。

実際、親父の死去後に実家の休みを使って片付けしていた時、近所の方の高校生の息子さんが学校帰りにぶつかってフロントフォークと前車輪を文字通り潰してきました。

それよりも大怪我が気になったのですがご本人は車から降りてきて申し訳なさそうに頭を掻いていました。

学校の側のA店に持ち込んだところ全て部品を取り寄せるので1週間の時間と2万を越える見積もりだったそうです。急ぎならば修理代と同額の新車を勧められたそうです。

これは正しい接客ですし、店員さんは環境の中でできうる事を全て提案されたわけです。

そのお客様のニーズは高校生活は後数ヶ月。大学受験などでお金が要るから少しでも出費は抑えたいが明日の模試には間に合わせたい

実家の小さな倉庫を見に行ったところ親父がコツコツと備蓄していたフロントフォーク、フェンダー、車輪を発見。

ここでお客様に見積もりです。

自転車はシルバーですがリビルト品で紺色ならば在庫があります。お急ぎならば1時間ちょっとで出来上がります。料金は8,500円です。大学に行かれても見栄えさえ気にしなければまだまだ使えますよ。

と伝えたところ、目を丸くして是非お願いします。

という事になりました。タイヤは使えましたので再利用して40分程でコンプリート!大変喜んでいただけました。

部品代が掛かってないので工賃だけの売り上げです。しかも取り外し潰れてしまった部品は後日まとめて鉄屑屋さんに買っていただけました。

通常ならば事業で出たゴミはお金を払って処分していただくもの。この逆鞘は素晴らしいですね。

これを機会に自転車店ビジネスに少しでも興味を持っていただけたら幸いです。

今日もありがとうございました

一般社団法人 自転車技術者協会

代表理事 中根 和宏

匠伝承サービススタート

初めまして 代表理事の中根の自己紹介させていただきます

この度、一般社団法人 自転車技術者協会を立ち上げ自転車業界のお役に立てる様頑張ります。

1964年5月17日。愛知県岡崎市の自転車店の息子として誕生しました。

家業が自転車店なので幼少期はお店の道具遊んでいたりしました。子供心にこの雰囲気の時はこのおもちゃ(工具)を父が使う事も感じていました。

昭和49年頃。第二次石油ショックなるものが始まり近所のおばちゃんがトイレットペーパーを毎日血眼で買い漁ってるのを覚えています。

当時小学校二年生の私にもその波が押し寄せてきました。

学校から帰ると車輪を5本組み立てたら遊びに行って良いというものでした。

車輪は中心部がハブ(物流でのハブも同じ意味)、タイヤを嵌める輪の部分のリム、ハブとリムを繋ぐ番線状のスポーク、スポークを締め上げバランスを調整するニップルで構成されています。

それらを規則的にコンプリートしてバランスを取る事で車輪として機能するのです。

前と後ろではハブの構造が違う為組み立てる手順も全く違うのですがそのミッションが始まってからは暫く遊びに行けず毎日泣きながらやっていた記憶があります。

毎日遊びを誘いに来てくれる友達にゴメンと言いながらも何とか早くできる手段はないか子供心に探求しました。

車輪のコンプリートには仮組みと振れ取りの流れがあります。仮組みは部材を間違いなく取り付る、振れ取りは治具にかけてニップルを締めたり弛めたりしてリムをセンターに持っていく作業です。

小学2年の私のファーストミッションは仮組5本でしたので毎晩親父に早く組む事を教わって1ヶ月後には1時間かからずに遊びにいける様になりました。

手が小さいのと指も細いのでニップルを摘むのが容易だったのとスポーク採りが楽だったからだと思います。今となってはこの記録を再現できるかどうか判りませんが遊びに行くというモチベーションは大きく起因していたはずです。

暫くすると仮組、振れ取り3本というミッションに成る日が来ました。

暫く遊びに行けない日が始まりました。

どうしても車輪の縦、横が歪んでしまって真っすぐに回らないのです。

ここで仮組段階でのニップルの付け方に工夫をして仮締め上げする事でコンプリートする時間が早く成る事を身につけ無事、友達が待ってる公園に行く事が出来た訳です。

そんな事をしていくうちに高校を卒業する辺りでは大体のことを出来る様になっていました。

余り成績優秀で無かった為、卒業式間近迄内定が無く、うちに回って来るツノダ自転車の営業さんにお願いしたところ空きが有るとの事で小僧(今では死語になりました)として謂わば見習いで就職が出来ました。

名古屋市西区の卸屋さんに出向と言う形で配属されたのですが教えてくださる先輩方よりも子供の頃から身についた技術が凌駕しており互いに驚いたと共に重宝されたのも事実です。

7年の年期明け、様々な業界を渡っていましたがレーシングチームでお世話になっていたG氏より新たなブランドで自転車をリリースするから力を貸して欲しいと言う事で叙々に自転車業界へ戻って来ました。

当時は台湾でのOEM生産が主流に成りつつある時。

台湾の工場へ出向いて言葉が通じない中製品の組み立て精度を上げる実践勉強ができた事も大きな自信に繋がりました。

自由な会社でしたので経理以外の部門は開発から製造、営業、配送などやっているうちにユーザーさんの意見をそのまま製品や工場での加工などに取り入れることが出来る愉しさから会社に泊り込みで仕事していました。

今では働き方改革でブラック企業とか悪いイメージにされてしまいますが愉しい仕事に没頭する事が出来たことはラッキーでした。

今から6年ほど前、全国チェーンの某店舗に配達用に自転車を配備する案件を社で請けることになり、担当するチャンスをいただきました。

この時も上海の工場へ行き品質検査などをした翌日には日本で全国の自転車店さん、問屋さんにトラックに乗って営業とデリバリーをしていました。

名古屋からわざわざよく来たなってその土地土地の方言で喋っていただきこちらの条件をのんでお手伝いいただいくなかで、跡継ぎが居ないという大きな課題を日本中の自転車店が抱えて、高齢化して顧客が減っていく問屋さんの悩みをなんとか出来ないのかなという思いが悶々としておりました。

自転車に乗るユーザーの数は余り変化ないはずです。逆にロードバイク需要などから通勤に使われる方、健康を気にしたり駐車場の問題で電動アシストにシフトされる方々、経費削減の為営業車を自転車にされる企業など自転車人口は増加していると思います。

新車を売るのも大事ですが直す人が減っている現代。ここで職人(匠)を育てていく必要性を感じております。

自転車店というと汚い、手が汚れるとか暗いとかいうイメージが先に出てしまいますがそこを一新して新たなビジネスとして捉えていけばみんなが喜べる業界、社会になると信じております。

昨年、幼少からの師でもある親父が他界しました。

実家の電話を転送して名古屋で受けていたのですが知らないところでこんなに自転車修理の需要があるんだという事、修理に困って遠方から頼み込んで来られる方、量販店に持って行ったら新車を薦められたが思い入れがある自転車だから何とかして直したい。

そんな電話がワンサとかかってきました。

名古屋と岡崎という事でお時間いただける方は後日対応させていただきましたがそこには親父が残してくれた自転車店存続の大きなヒントを見つける事が出来ました。

これら、私の持っている全てを使って業界のお役に

立たさせていただきます。

『自転車に携わる全ての人に笑顔を』

を理念として2020年4月5日起業の準備をさせていただいております。

今後共、お知りおきいただけましたら幸いです。

一般社団法人 自転車技術者協会(2020/4/5設立)

代表理事 中根和宏